【新商品を開発する】いろいろ大変です!

作るからには、意味をしっかりと持たせる。

最近スーパーで買い物をしていて、ポテチコーナーで気になって買いました。
メーカーはなんとあのカルビーさん。
従来の売り場に、このデザインで並ぶと、それはもうスルーできませんでした。
どれだけ売れ続けるのか分かりませんが、少なくとも「夏」「ビール」、「ポテチ」と
連想してしまうので、ひょっとすると冬場にはまた違ったデザインが登場するのかもしれません。
面白いですね、王道を行く従来のデザインと全く違う、ストレートで強いメッセージ。
響く人に響けばいいくらいの、潔さ。見てて気持ちがスカッとしました。
特に黄色の方は、文字も縦書きで、「邪魔」という言葉が入っています。
ひょっとすると、ポテチは高カロリーで、口には美味しいけど、身体にはあまり良くない、という薄っすらと感じている
懺悔の様な気持ちをあえて前面に持ってきて、それでも「この味の代替品はない!」とさえ伺わせるコピーのような気がします。
響く人には響く、という意味を貫いたデザインだと思いました。

商品設計は、まっすぐにはいかない。

今日の食べ物に困るほどの、飢えることのない今の日本の食事情では、とにかく食べてもらうまでが
大変です。
観光地で、その場所でしか買えないようなお土産ならば、その観光地の物語を付与すれば、行ってきた記念として買われていきます。
でも、工芸品や日々の暮らしで使用したり、食べたりするものは、「なんらかの意味付け」をしないと手に取ってもらえません。
つまり、ストレートに「めんつゆ」とか「ちくわ」とか「豆腐」とかでは、ほぼ価格競争だけの勝負になってしまい、まるで
スーパーの存続の為だけに製造しているような、心の疲弊が付きまといます。
度が過ぎる価格競争とは、別の商品ラインを検討すべきと思います。
その為にも、前回のブログでも書きましたが、視点と解釈を変えて、言葉で居場所を見つけ、それを表現すること。
これをトライアンドエラーができるうちにやることが非常に重要だと思います。
後を引き継ぐ者への、手ごたえというバトンを作るとということです。

言いたいことは分かったが、どうやってやるのか。

経営学やらの本で、これ読んでやったら速攻で回復するよ!と威勢のいい本が1500円くらいで書店で売ってます。
あと、仕組化はこうすべきだー!とか、4Pやら分析はこれさえあれば!みたいな本もありますね。
ハッキリ言って、1500円の投資で見合う効果は、知識としてはありますが、実際は難しいですね。

本音で言いますが、時間はかかります。ブランディングとかカタカナだと意志の祖語が発生します。
誰もが知るブランドではなく、「わたしだけのブランド」というレリバンシー認知を目指します。
マスを捨てて、コアターゲットに意味づけをするために、視点と解釈をどう変えたらいいのか考えます。
捨てることは勇気が要ります。でもそれでも、尖ってくるのは間違いありません。
冒頭に画像を上げた、カルビーさんのポテチがそうです。
ほぼ全体の調和とイメージが整ってくると、言葉が湧いてきます。
例えば、文具店なら「地域の文人回帰」とか。
例えば、観光農園なら、自然豊かな~ではなく「音の絶え間の時間体験」など解釈を変えていくと、言葉が新しい居場所を定義します。
野菜青果物の仲卸業でも、その培った目利きを最大限に解釈し直して、「野菜の学校」など言えると思います。
従来の枠組みやシステムの外へと、開拓すべき時期かと思います。
そのような知恵の底流には、普遍性や哲学、美意識、そして問題を他責にしない自省の念が流れています。

打合せ現場にて会話することを、具体的に書き記します。

①なんのために、誰の為に、その新商品はあるのか
②USPは明確になっているか(USPとは、競合に対しての優位性のこと:Unique selling Proposition)
③ネーミングは、カテゴリーだけを訴求せず、あたかも人の心理描写やその次に想起させる何かが込められているか
④「置きに行く」ようなデザインになっていないか
⑤全体的な調和から、美意識が感じられるか それは、時代が必要とするエッセンスが感じられそうか
⑥その商品はどこで販売するのか もしくは「誰と連携すると」ブランドスイッチが可能か

ざっとこんな感じでしょうか。
個別のお問い合わせはメールよりお願いします。