【ステートメントから始まる】言葉をどう扱うか

【薬膳香蓮さまとの数か月】

薬膳香蓮さまとは、基山のマルシェで初めてお会いしました。
いろんな出展者の前を通っていた時に、キレイに飾られたブースが目に止まり、立ち寄ってみました。
薬膳茶、グラノーラなどの商品が並び、そのアジアンテイストのデザインが、あたかもそこだけデパートのテナント
のような「飾られ、整えられている」印象でした。
少しお話をすると、なんと薬膳を扱いながら、実は薬剤師でもある、と衝撃のひとことを。
「なぜ?」、「別に薬剤師で十分な収入もあるのに」など初対面ながら、質問していきました。
すると、学生の頃、とてもアトピーがひどく、心身ともに暗黒時代だったが、薬膳を取り入れたことにより
根本から改善していった、と教えて頂きました。
私自身も中3から約40歳くらいまでアトピーでしたので、その終わりの無い症状の辛さは痛いほど理解できましたし、
それが漢方、薬膳でここまで完治するのか、と凄みすら感じました。

「薬膳を扱う薬剤師」、「アトピーの辛さ」、「薬膳の効果を実体験している」・・・。
これらの事実から、つい私の口から出てしまった、大変失礼なひとことが「もったいない」でした。
わたしが、コピーライターであることをお伝えしたところ、HPの改修を考えている、とのことで一度別日に会うこととなりました。


【憑依する為に、ステートメントを書きまくる】

まず、薬膳とは何か、を調べる。とにかく調べまくる。マルシェで買ったお茶、グラノーラを食べる。
そして、世の中の薬膳の位置を調べる。
生活の近くに「薬膳」がいない。
社長にお願いして、薬膳教室の見学をしてみる。
対象とそれを見るひとの間に、かならずコピーの分子は潜んでいる。
それを探すのです。
薬膳でなければならない理由、とは何か。
病気になるとは、どういう心理状態か。
健康市場のどのあたりに薬膳は位置するのか。
そもそも、なぜ薬膳という漢字なのか。
世に在る、ほかの薬膳と何が違うのか。
薬膳香蓮の本質的な「力の性質」はどのようなものか。
薬膳香蓮にしか言えないこと、それは今を生きる生活者に、どのように伝えるべきか。

時間は掛かりましたが、少しづつ見えてきました。
憑依しなければ、見えてこないものが、少しづつ見え始めました。



【ステートメントはクライアントの為に在る】

憑依しなければ、出てこない言葉がある。
言葉が出てこなければ、薬膳香蓮にしか言えない世界は創れない。
ステートメントは、クライアントが繰り返し見ても、それに耐えうるように書かなければならない。
クライアントの為だけに、言葉を書きます。
責任が取れない「未来」を言うより、確かさ、強さを探し、本来こうなのでは、という設計をしていく。
アンチテーゼとジンテーゼを文脈に織り込むようにして、全体の「形」を創っていく。
嘘は、ばれる。安易に置きに行く言葉も、すぐにはがれる。
ステートメントは、クライアントの為にある。
だから、自分に言い聞かせる。

あなた、本当にそう思ってるのか?と。

ステートメントを書くという事は、クライアントの「どうしても言わねばならぬ」という結晶を浮き彫りにしていく。

【そぎ落とす、とは澄んでいくこと】

ステートメントを書き続けると、クライアントとの距離が近づいてきます。
お互いの目指すべきものが、定まってきます。
つまり、一歩一歩と合意形成がなされていきます。
薬膳香蓮のために、どう言葉を扱うか。
そこから、見えてきたものをどうビジュアル表現していくか。
パッケージデザイン、会社案内、そしてHP。

説明ができないデザイン箇所は、そぎ落とす勇気を持つ。

そして、あくまで主観で考えて、客観的な文脈を心がける。

11月、あたらしい薬膳香蓮株式会社さまのHPができあがりました。
辛抱強く対応してくださった横尾社長には、感謝しかありません。

karen-yakuzen.com

横尾社長さまの、言葉が溢れています。