【刺さる商品名の思考法】スルーされない為

商品のネーミングには哲学の要素が必要

京都や鎌倉などブランド力のある地域では、その「京都」や「鎌倉」が付いてさえいれば、「何やら良さげである」という
良く分からない魔法にかかり、手に取ったりしてしまいます。
お土産なんかそうですね。〇〇バナナとか。まあ、その地域の記念として買ったりしますので、当然と言えば当然です。

また名前と言えば、誰もが一度はコピーライターの生みの苦しみを味会う時期があります。
それは、子供の名前を考えるときです。
子だくさんだった時代では、一郎、次郎、三郎、など特に名前に子供の将来を託すようなことは、あまり見受けられませんでした。
最近では度が行き過ぎたキラキラネームが問題視されたりしましたが、「う~ん」と考えたり「字画」を観てもらったり、悩む事じたいは、まさにキャッチコピーのように「ひとこと」を探すような感じではないでしょうか。

さて、スルーされない為には「哲学の要素」が必要だと記しました。
それは、「刺さる」言葉であり、「心理変容」を期待する言葉でもあります。
いわゆる「買うつもりではなかったが、買ってしまった」という消費行動を促すことなのですが、その駆動する最初のスイッチは
商品名であり、そこに付随するキャッチコピーであり、哲学的な要素を内包するボディコピーやステートメントやPOPへとつながってきます。
しかし、いきなり哲学、と言われても困る方もいらっしゃると思いますが、言い換えれば「なぜそれを作ったのか?」を突き詰める事だと思います。
ボーっとしてらできた、という商品は原則ないはず。
必ず作った「動機」があるはずです。それが、哲学のコアな部分だと思います。

でも、「流行っていそうだから作った」をそのまま表記するわけにはいかないので、工夫することが求められます。
そのために、文章を書き、言葉を扱い、言葉で記憶させるためにコピーライターは存在します。

「刺さる言葉」と検索するとたくさん出てきます。AIに考えて!と言っても出てきます。

それを参考にされてもいいですが、自身が考えたどり着いた言葉と、いわゆる格言のようなものを少し修正した言葉では
「らしさ」は伝わりますが「らしさ」で終わります。
それに、無償で検索しちょっといじった言葉を使う、という手順は、ほぼ誰もがします。
ほぼ誰もがするという事は、その言葉はあなたの言葉というより、あたかも借り物の人生のような、結果的に薄いものにしか仕上がりません。
つまり、あなたの中から滲み出るような哲学が希釈されている状態だと言えます。

刺さる言葉や文章とは何か。
少し言い換えれば「最も心が動かされるとき」と言えます。
ひとが心が動く瞬間とはなにか。

うわ~やおお!が心が最も動くとき・・・なのか?

幻想的な風景や、自然界の美しさには「感動する」ような心境になります。

それは、とても美しく他所では見れない景色です。
ともすれば畏怖の念さえも感じる事でしょう。
でも、その美しい記憶は、ああ綺麗だったね、で終わります。
誤解が無いように言葉を添えますが、これはこれで心が「感動的に」動く瞬間には間違いありません。

でも、それが「最もなのか?」、「ほかにないのか?」そして、「ほんとうに、ひとのこころに響き続け、感動した以外の心理が芽生える事はないのか?」と考えた時にでてきた言葉は「衝動」という言葉でした。

衝動のジーニアス

ご存じの方も多いかと思います。障害を持つ方のアート作品を展示販売されています「ジーニアス」さん。
実はわたしもこのトレーナーは2着もっていますが、買った理由が「かっこいい」でもなく「感動した」でもないのです。
むしろ「よくわからない」し「なにがいいのかさえもあまり理解できていない」レベルで買いました。
自分が着る服を、あまり理由もはっきりしないまま着るということは、少し違和感がありましたが、とにかくその存在感と唯一無二であろう哲学が感じられたのは事実です。

はたして、それはいったい何か?
このような作品を書かれた方々には、きっとこの景色が見えていたのでしょう。
もっといえば、それ以外は見えていなかったかもしれません。
とにかく、心のうちから湧いて出てくるものを、混じりけの無い純度で書かれたことだと想像します。

それって「衝動」ですよね。

その衝動と言う要素が内包された表現こそ、もっともひとのこころが動くとき、だと私は考えました。
これはアーティスト特有のコンサマトリーな状態と言えるかと思いますが、誰しもがアーティスト的な生き方ができるわけでもなく、どの商品もそのような作品レベルに昇華できるわけでもないのですが、できなくてよい、と思います。
要するに真似するより、もっと自身の内側に在る「衝動」に目を向けるべきだと思います。

それこそ、刺さる言葉を引き出すスタート地点です。

ご相談ごとありましたら、商品名やホームページの離脱を防ぐための文章術でもいいです。
言葉である以上、文章としてお客様とのエンゲージメントを高めたいと思われている企画、販促のご担当さま、ご連絡お待ち申しております。