【記憶に残る強い文章】島内大輔のコピーライティング

自分だけの言葉で表現しよう

自分だけの言葉とは、自分が思っている事を言語化することです。
それを、まずはそのまま書いてみましょう。

商品であれば、なぜそれを作ったのか。
服であれば、なぜそれを作ったのか。
なんらかの体験サービスであれば、なぜその体験を選んだか。
住まいのリノベーションだったら、なぜそう設計したのか。

そして、それは誰の為に作ったのか、も同時に書き記しましょう。
自分が食べたいから、着たいから、住みたいから、という理由もあるでしょうが、
「あったらいいな」とか「なるほど、そういう意図で作ったのか」など「顕在と潜在ニーズ」を視野に入れたモノづくりを、ほとんどの方はされていると思います。

それらを、まずは書いてみましょう。
その中には、「やがて唯一無二の自分の言葉となる分子」が、目には見えないけど、必ず存在しています。

分子とは、2つ以上の原子から構成されています。
記憶に残る文章は、2つの言葉の原子が組み合わさった分子から構成されます。

この場合、まずは自分がなぜそれを作ったのか?
そして、もう一つの原子は、それは誰の為に作ったのか? になります。

その分子を基に、自分だけの言葉を組み立てていきます。
記憶される言葉や文章は、他人の言葉では成立しません。
たとえ同じ「漢字」を使用したとしても、組み立てていく段階で、伝わる印象が違ってきます。

この組み立てていく段階からが、コピーライターの仕事と言えます。

自分だけのもの、が目指すべき到達点

デザインや表現を、例えパクっても商標や著作権、意匠に触れない限り、問題は生じません。
でも、耐久性が無く、劣化速度が速いです。
ということは、記憶に残りにくく、忘れ去られます。

考える時間は、大なり小なり苦悩する時間ですが、それが短くて済むのは、上の図で言うと「パクリ」や
「らしい」あたりではないでしょうか。
「らしい」とは、それっぽいね、ということ。

苦し紛れに、どっかで見たデザインや表現を少し改良したやり方ですが・・・悪いとは言いませんが
「らしい」というだけの見た目と印象なので、そのカテゴリーが自分には関係なければスルーします。
つまり、機会損失であり、もったいないやり方ですね。

逆に、どうせ何かを参照するのであれば、王道からヒントや示唆を得るべきだと思います。
見た目のデザインを模倣する、ということでありません。
自分の目を鍛えるというか、その王道から得られる哲学、概念、普遍性、本来の在り方などを汲み取る、ということです。


王道には強さがあるけど、王道は一人しか存在しない

モノも情報も溢れかえっている現代。
ほんの少しの差異的な要素だけでは、弱いと思います。
むしろ、差異を見つける思考は必要だけど、際限なくそれを付き進めると、コスト、時間に見合う
収益が遠のきます。
なぜか?現状がそのサイクルで、マーケティングや商品開発、プロモーション、販促を回しているからです。

つまり、そのサイクル自体の在り方を問う、ところから出発していないからです。

自分が誰かの為に作ろうとしていること、それそものが、社会に、生活者になにを伝える事となるのだろうか、と考えるべきかと思います。
王道となることは難しいけれど、少なくとも「自分らしさ溢れる、自分だけのもの」には到達したいものです。

パラダイムシフトというヒント

これまでのあたり前の考え方やあり方、価値観が変わっていく、という時代に入っています。
商品やサービスの物語のスタート地点を、「問う」ことから始めると、際立つし、強い表現となり、
記憶されやすくなります。

その在り方で良いのか?と問う姿勢。つまり、アンチテーゼを見出します。
これまで、なんとなく「そんなもんだよ」で済ませていた事象であればあるほど、「え?どういうこと?」と
なります。
そして、そのアンチテーゼに対して、自分の言葉でジンテーゼを表現するのです。
上の画像は、大型の車が支持され、それ以外の車が非常に劣勢を強いられていた時の新聞の広告です。
Think Small
大型車ばかりの多数派への強烈なメッセージですね。
また、上部に配置された車の画像と、Think Smallという文章の間には、何もない空間が設計されています。
この空間こそが、見た人に余計な情報を入れず、ただただ小さい小型車の存在意義について考える効果を生み出しています。

顕在ニーズや潜在ニーズを視野に入れながらも、このようなパラダイムシフトの渦中に生きる私たちは、
自分の言葉を見つける事がとても大切だと思います。

どうぞ、広告、企画、販促、マーケティング、プロモーション関係の方。
メールにてご相談ください。
メールでは匿名で構いません。限界はありますが、最初のやりとりは無償で構いません。