【小さいお店だからできること】気にしてもらう為には

小さなお店は、小さい商いしかできないのか

個人商店のような小さなお店が、私が住む街にあります。
そこには、時々ですが、野菜を中心に買い物に伺います。店内に在るものは・・。

有機野菜、お米、常温冷凍冷蔵の加工品、鮮魚、肉関係、惣菜、お弁当関係それと健康食品関連。
体に良さそうな食品は揃っている感じです。
音楽が流れているわけでもなく、何か食欲を駆り立てる匂いがするわけでもありません。
品物には、野菜なら「有機野菜」とだけ書かれたPOPがあるのみ。
店員さんが「オススメですよ」と話しかける事もなく、野菜買って、たまに惣菜買って、レジ行って会計するだけ。
入り口横にある、回転焼きコーナーには、今は冬場だからちょいちょいお客さんが買われてる感じ。

やはり、どうしても、失礼ながら、時々思うのですが、「趣味でやってる?」と思ってしまいます。
インスタもやっておられるようですが、「〇〇さんのお野菜入荷しました♪」的な感じです。
余計なお世話だが、収支は大丈夫なのだろうか・・と心配になるくらい、有機野菜も安いのです。
しかも、道を挟んで隣には、チェーン店のスーパーが広々とした駐車場で構えています。

しかし、なぜ時々でも私はそこに行くのか・・。
ひとつは、その有機野菜の強さに驚きました。スーパーの野菜と比較して、「へたっていない」というか
強いのです。生きている感があるのです。
先日も白菜を買いましたが、ハーフカットで150円。
鍋に投入しようと、めんどくさかったので、ざっと水洗いし、手でちぎろうとしたのですが、ちぎれません。
簡単にはちぎれないので、まな板と包丁でカットしましたが、やや野菜に負けた敗北感は感じました。

依頼があったわけではないが、僕だったらどうするか

推測ですが、このお店をよく利用する人は、僕みたいに野菜、お米を中心に買っているだろう。
特に有機野菜のあの強さとしっかりした味は、記憶に残ると思います。
であれば、「なぜそうなのか」を記したPOPを作成します。
よくある、生産者の顔入り写真ではなく、「強く、味がいい理由を刺さる言葉」で記します。

生産者の顔写真は、すでに既知感があり、そもそも、知らない人の顔写真を見せられても、だから何?
としか思えません。
それよりも、「野菜の本来の強さはこういうものです」とか「有機の状態を維持するための努力」とか
「流通を介さず、直接農家が持ってくる、そのこだわり」とか「お米農家しか知らない、おいしいお米の炊き方」とか「どれだけひとの健康を大切に考えているお店なのか」とかを深掘りして表現します。

販売されている、すべての商品に、「そうだったのか」と思ってもらえる意味付けをする。
「有機野菜」という言葉に、広がりと深みと鮮度を持たせることで、単に有機野菜ではなく
「このお店の有機野菜」として格上げしていく。
健康食品でも、誰の何に便益があるをはっきり記すことで、高いというハードルを下げる。
B型就労支援事業所さんの商品なら、それこそ、許されるなら、顔写真入りで「彼らが持つ純粋さ」を
全面に打ち出したパネルを設置する。

つまり、この小さなお店にしか言えない事、その独自性を「今の商品群」から抽出し、言語化し、視覚化する。
そして、ここポイントかなと思うのが、今の土着さ加減を残しながら、お客さんに「値引き以外の購買価値を
接客で作る」という、「小さいからこそできる、声かけ」をやっていくべきかと思います。

物理的に小さく狭いスペースですから、その空間に居る人には伝わります。
値引き以外の購買価値とは、例えば、ある身体に良い調味料があったとします。
で、その調味料を使って、この季節ですから「鍋」を作ったとします。
その作った「鍋」が、消費期限が近い野菜や豚肉を使い、「3日間の味変」という「鍋」を提案します。

初日は、和風だしで鶏肉と野菜の鍋。二日目は、その鍋に調味料、味噌、胡麻、と豚肉と野菜。
そして、三日目は、具材から美味い成分たっぷりの出汁が抽出してますので、木綿豆腐、きのこ、きくらげ等
を投入し麵を入れて、超うまい野菜煮込みラーメンとして完食する、という内容になる鍋の提案です。



現状の在り方を問う事の大切さ

お店の現状の在り方を問う。
お店を取り巻く環境の在り方を問う。
お店に来るお客さんの在り方を問う。
お店に商品を持ってくる仕入先の方と共に、それらの在り方を問う。

つまり、新しい種まきをするための「課題」「問題」を浮き彫りにする、という事ですね。

お店の方に届くとうれしいです。