【足を止める、商品を手に取る】選んでもらうための、キャッチコピーを探す、見つける、その流れについて

商品と生活者の関係性をどうつくるか。

前回、ブログで「ショウガの加工品」について、書き記しました。
今回はキャッチコピーに至るまでの「思考の流れ」を書いていきます。


こちらは、野菜を皮をむかずに、そのまま茹で、真空パックし、冷凍として販売されている商品です。
左下に、「ココロとカラダを元気にするやさい」とキャッチコピーらしきものが書き記されています。
右上にも「時短料理」ではなく「時短便利」とも書かれています。

「らしきもの」というのは、「なんとなく、それらしい」ということです。
「らしい」ままでは、刺さりにくいかな、と思います。

言いたいことは、想像できますが、これでは、輪郭がぼやけていて、それほど野菜に関心がない人は、スルーします。
画像に彩りが在るので、視界に入った時には「ん?何だろう」とは思いますが、それ以上の行動には、なかなか至らないと思います。
つまり、その時点で、関係性が無くなった、ということですね。

では、どうするか?どう、練り直すのか?

商品の説明や使用用途も大事ですが、一旦、「そもそも」と考えていきます。

野菜とは⇒身体に良い
皮をむいてないとは⇒栄養素が詰まっている
種類にもよるが、通常20分くらいは茹でなくてはならない⇒レンチンでいける
ひとが野菜や食品全般に思っていることは何か⇒安全なものか?あまり手間がかからず、おいしい料理がつくれそうか?


そもそも、これまで、食品に関して、どんな事件があったか?賞味期限の偽装、産地偽造・・・。

なぜ繰り返されるのか?

そもそも、ひとが食べる食品の、現時点での、在り方はどうあるべきだろうか?

こんなことを考えていきます。

さっさと、安心安全と言いたいところを、以下のように変換します。


「普段は忘れている、昔あった食に関する事件」を思い出すような表現。さらりと読ませず、少しドキッとする感じ。

実際に食卓のテーブルに在る感じ。
なんとなく、見た目がきれいなだけの料理への疑義を汲み取る感じ。

同じく、こちらにも「都合」という言葉をいれました。
薄っすらと思う疑義を「やや、心配」と置き換えます。

食品への安全性に方向転換していきます。
「疑義」や「やや」を「不自然」の「不」のみを使い、見る人が「不自然」とか「不便」とか「不要」など、想起の広がりの効果を狙いました。

ややドキリとするPOPと、それと対照的に「自然のまま」が感じられる商品との対比。
安心して、なっとくして買える。
買われる理由への強化。
ひとつの関係性ができあがった瞬間です。

商品の見せ方。
消費者との関係性をお考えの方。
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