今の在り方が、すべて悪いわけではない。
どういうことか?
小さいお店で来店者が少なくなってくると、焦りますよね。
通常の作業をしながら、何とかして売上の確保をしなくてはなりません。
精神的に追い詰められそうになりながらも、頑張るしかありません。どうしたら、もっとお客さんが来てくれるのだろう・・。
何が良くないのか?何か足らないのか?もっとSNS頑張らなくてはいけないのか?値引き?
悩みは尽きないと思います。
そこで、お勧めするのが、コピーライターという職業のひとです。
コピーライターって、ただただ文章を書く人、カッコいいキャッチコピーやタグラインを考える人、という世間一般のイメージがあります。
ま、それはそうなんですが。
そこに到達するまでに、様々な視点で考え、時にポイントを見つけたら、分子レベルまで深く考えたりします。
そこまで、考えて考えて考え抜いたものしか表現しないので、刺さる言葉が生まれてきます。
つまり、店長や責任者さんの頭の中を整理していきます。
だから、対話がものすごく重要なのです。
企業でいうと、オリエンというあたりでしょうか。

冷静に、今の在り方を観察する。
仕入れているものの「性質」は何か。
売れているものは、どういう感覚で売れているのか。
販売しているものは、何に一番重きを置いて製造販売しているのか。
足らないモノを見つけるよりも、「今の在り方」を観察していきます。
つまり、集客の手段をアレコレ考える前に、今の在り方はどんな在り方であるのか。
客観的に冷静に見ていきます。
その意味するところを考えていきます。
そして、今まで「何をお客さんに伝えてきたのか」を見つけていきます。

繰り返し来られるお客さんとは、そのお店との「ある関係性」が構築されているお客さんですね。
その「関係性」の中に、数値データも大切ですが、どういう感覚や感情が存在しているのか、を考えていきます。
この辺りまで思考が来ると、すこしづつ見えてくるものがあります。どういうことか?
例えば、ここに冷凍食品専門店があるとします。
スーパーで販売している冷凍食品ではなく、この店独自の仕入れ商品や、自社製造の冷凍食品のみを販売している、ありそうでなかったお店です。
郊外であるため、認知が低いのでインスタ等で集客を行っているものの、あまり効果がなく、少ない時には一日で3人とか、気持ちが萎える日が多くなってきました。
商品自体は、最小の調理器具のみで、作っている方は、全員プロの料理人。
つまり、人件費がしっかりとかかっているのです。
売れてくれないと、閉店という現実が迫ってきています。
ある人の紹介で、コピーライターの方と面談をすることになりました。
すぐさま、POPの無さ、その内容の幼稚さ、インスタのコンテンツの指摘、など言われるのかな、と思ったら、まったくその事には言及せず、しっかりとヒアリングをされていました。
数日後、再度お会いして、まず言われたのが「改善点もありますが、今の在り方が、すべて悪いわけではないと思います」という思いがけない言葉でした。
とは言え、待ったなしの状況ではあるので、ポイントを押さえながら、仮説を立てて、できる事からやっていきましょう、と言われ以下の様な流れでやってみました。
①リピートのお客さんはどんな人か?リピートとは、お店の商品と価値に対して、関係性が構築されている人、という事です。
②そのお客さんはどんな「感情」で商品をかっていたのでしょうか?ここからは仮説です。
「おいしい」という理由だけでは無いと思います。
美味しいだけなら、冷凍食品でなくても、いくらでもあります。
③そもそも、いくらおいしいからと言って、冷凍食品を購入し、すぐさまレンチンするって、あまりないことですよね。
むしろ明日やそれ以降の「過ごし方」を考えて、「買っておいた方が良いから買う」というのが妥当ではないでしょうか。
つまり、「買っておくと、こういう便益が在る」と把握された状態の購買理由かと考えます。
④具体例を言えば、長期休暇で小5の娘が家にいる。共働きなので、日中は家には娘ひとり。
現金を渡して、コンビニでもいいけど、さすがに毎日はちょっと。
冷凍食品なら、レンチンでいいし、今日食べてくれなくても、賞味期限を気にしなくて済む。仮説ですが、実際ありそうです。
⑤つまり、朝食づくり、自分や旦那さんのお弁当作り。
この時、娘のお昼ご飯も作る時もあるけど、食べてくれなかった事もあり、どうしても「作り置きしておく」という事にしっく りこない。言い訳かもしれないけど、「自分が楽したい、手を抜きたい」、から始まり、それを食べてくれたら、「美味しいのもしっているので、安心もする」、という一連の感情が混在していると予想します。

ここから、そのお店にしか言えないことを、コピーライターは考えます
これまでの在り方から、これからの在り方にむかって、お客さんとの関係性を構想し、構築し、その価値の増大を発信します。
アーキテクチャーの思考のように、構造化と意匠化を同時に行います。
実際に進行中の案件でもあるので、これ以上は後日書き記しますが、ひとつ言える事は、そのお店もですが、多くのお店に足らない要素が、発信する言葉、コンテンツが「軽すぎる」ということ。
では、また続きを書き記します!