行き止まりまで、考えていく
前回のブログで、レトルト食品のカレーの話をしました。一部、前回の文章を抜粋します。⇓
「レトルト食品は、期待されて買われる、というより、あって良かった、とか助かるとか、日持ちするのでそういう感覚で買われていると思います。
そこをもう少し、掘り下げて考えます。本当は、ちゃんと作りたいけど、という「ほんとのトコロ」が見えてくると思います。」
ちゃんと作りたいけど、という「ほんとのトコロ」、という行き止まりまで、考えを進めていきました。
ではこの「ちゃんと」ということは、どういうことなのでしょうか。
・ちゃんとしている
・母が遠くにいる息子を案じて「ちゃんとご飯たべてるのかしら」
・学校や塾の先生が、生徒に「ちゃんとしなさい!」
・初めてひとりで飛行機に乗ってやってくる親戚の子に「ちゃんと乗れたね!」
このように、ごくごく身近な言葉ですね。
本当はちゃんとしたものを作ってあげたいけど、何らかの理由で「仕方なく」レトルトカレーを提供した。
仕方なく、なのです。
この「仕方なく」買う、という関係を「楽しみで」買うに変換していきます。
つまり、「今の在り方」を行き止まりまで考えて、そこから得た要素で「これからの在り方」に変えていく、ということです。

脱・常識 脱・固定観念
今まで、仕方ないから買っていたものが、どうやったら期待して買ったり、楽しみで買ったりと心理変容するのでしょうか。
商品自体の変更や味の改良はしません。
どうするのか?
これまでは、プロが作ってます!奥深い味です!ちょっと贅沢です!という表現に終始していました。
これだと、確かに美味しいのだろうけど、「ちゃんとしたもの」ではないですね。
「ちゃんとしたもの」をごく一般的な考えで、いったん定義します。
分かりやすく言うと、普段あなたが作っている料理の仕方が、「ちゃんとしたもの」なのです。
つまり、スーパーで材料を買う時、産地を無視して買いませんよね?
調味料も、成分表示を見て、やたらとあまり知らない化学物質の名前が記載されていたら、そっと棚に戻しませんか?
そういう、行為を経て、作られてきたものが「ちゃんとしたもの」なのです。

「ちゃんとしたもの」は、普段のあなたの料理
これを見つけ出すのが、コピーライターです。
考えながらデザインするような感じです。
このように、ブログに書き記すと、実にあっけなくたどり着きた、と思われるかもしれませんが、まあまあ時間を要します。
普段のあなたの料理の要素を、リパッケージすることになっていきます。
つまり、プロが作ったより、しっかりと産地の表記を大きくする。
奥深い味より、プロしかつくれない、ブイヨンの配分とか成分をできるだけ開示する。
もっとアンチを込めると、人がおいしいと思えるものは、やはりひとが作るべきだと思います、のような挑発的な文言も、勇気をだして記してもよいかもです。
つまり、「ちゃんとしたもの」の根拠ですね。
不信感が微塵も感じられない。
正直さ。
じつは、このようなカタチでお客さんとの関係性を再構築している商品は多数あります。
いわゆるオーガニック系が代表的ですね。
ここから先は、アートディレクターさんにバトンを渡します。
商品はそのままでも、心理変容ができる、そんな事例でした。
どうぞ、ご相談事ありましたら、なんでも結構です。ご連絡お待ち申しております。