【心を掴む企画書作成】リフォーム・リノベ営業・企画の方へ。コピーライター島内が考える「ひとの心理変容」の導き方。

そう簡単にはいかないなら、時間をかけてみる

お客様と対話する機会、時間を多く持つことが肝要かと思います。

なぜならば、繰り返しになりますが、「リフォームしませんか?」と聞いても「今はまだ考えていない」という回答だからですね。
「今」は、「リフォームの大切さ」が頭の中にない、ということです。

困っていないし、提案としては、非常に心地よさそうで、健康的で、何なら補助金も使えそうで、こんな空間に住めたらいいなぁ、とは思うが、最優先事項ではない。

ここまで、ハードルが高いと、かつ丼食うのと違う費用が掛かりますから、後回しになりますね。
でも、例えば老朽化し、親も数年先には介護の文字がちらつく年齢。
転勤は今の所なさそうだし、上の子供が来年中学だし、そろそろ1人部屋を設けてやらなくてはいけないのも事実。
来月からすぐにリフォームを始めるわけではないが、来年の今頃には、きちんと計画をたてて、後悔しないように、施工業者で失敗しないように、情報収集はしておこう、という方は居られると思います。

つまり、年単位のお客様との繋がりを持つ必要があります。
時間をかけて、お客様の心理変容を整えていくわけです。

お客様は、誰か。

様々な要因は在るかと思いますが、ある程度「そろそろ改築を」と考えるときは、誰しもあります。
モノである以上、家も劣化していきますので。
そんなときに、「そろそろリフォームの情報収集を」と考え始めるお客様は、どんな世代でしょうか。

仮に、35歳、サラリーマン、アパート暮らし、妻子供4人家族、実家は車で20分。
その実家は築40年。
作りはしっかりしていて、特に災害もない土地柄。
徒歩10分には主要な駅、学校、病院もある。いわゆる、住むに適している住宅街。
実家の近くに土地はなさそう。ほんとは、奥さんの希望もあり、今住んでいるアパート近くで土地を探して、小さいながらも新築戸建てがいいけど、予算が半端ない。
落し所というわけではないけど、実家をリフォームし、一緒に住むか、もしくは二世帯住宅。
ローンを視野に入れると、フラット何とかなど30年プランだろうか。
現在、会社では中堅だけど、これからのことを考えると、しっかりと昇進できるようにならなくてはいけない。

とまあ、私自身の過去の体験を少し交えて、仮説を立ててみましたが、それは私の場合は今から約20年前の状況です。
今とは社会環境、仕事の環境、子供たちを取り巻く環境も大きく変わってしまいました。

お客様の置かれている「今」と、これからの「情勢」をまるで生保のファイナンシャルプランナーのように仮説を立てて、提示することは重要だと思います。
割と確度の高い人生の見通しですので、客観的な事実に近い未来の要素が視認できます。

その人生プランと一緒に、お客様に提示するのが、リフォーム会社の持つ、ブランド力、世界観を作れる、語れる能力、長期に渡って、お客様との深い関係を築ける「手紙的な雑誌」のようなコンテンツかと思います。

ベンチマークは同業だけでなく、異業種も。例えばD2C。

スーツケースのブランド Away。
Awayが発行している雑誌があります。その雑誌の名前は、「The Places We Return To」…いつか戻ってくる場所

もはや、物語としか言いようがない、名前です。
というか、物語です。
中身は割愛しますが、とても想像力を掻き立てるコンテンツのようです。
テーマも、「有名な作家が旅行に行くとしたら、何を持って行くだろう」と好奇心を駆り立てますね。

つまり、プロダクトに紐づいた「こういう空間っていいよね」ではなく、プロダクトの「プ」のさえも匂わせない、語り方。
ストーリーテリングの極み。
これほどの高いクオリティのコンテンツだからが故に、D2Cでもトップクラスなんですね。

この世界観の作り方、語り方のコンテンツは応用できると思います。

でも、もっとひとのこころに刺さるには何が必要か

これは、あるワークショップで出されたお題でした。
多くのグループからは、双眼鏡のスペック、つまりプロダクトに紐づいたコピーでした。
僕は、そうではなく、親がくすぶっている心理を考えて、スマホやゲームばかりではなく、リアルな屋外に出かけようぜ!をコピーにしました。
がしかし、登壇されていた方から模範と言えるコピーを提示されたのが2枚目でした。
鳥肌が立つほどの。
これ以上ない切実さが込み上げてくる。
場合に寄っては、ちょっと反則では?と思う節もなくはないですが、そういう小さいことを思うよりも、涙が出そうな気さえしたのを記憶しています。

つまり、ぼくの心理変容が一気になされた瞬間でした。

このような「切実さ」でさえ、別の視点から想起させるような、物語を入れ込んでみても良いかと思います。
リフォームはすぐにはなされないお客様。
そんなお客さまとの、深い関係を作っていくレター的な雑誌。

何となくですが、少しづつですが、島内がリフォーム会社に提案したいことが見え始めてきました。
続きは、また明日投稿します。