【コンセプト開発⑤】お味噌のコモディティ化を脱出する。

お味噌は心地よい。コンセプト開発の経緯について。

スーパーや道の駅で販売されている「お味噌」。日本の代名詞のような発酵食品ですね。
合わせ味噌、麦味噌、赤味噌、白味噌など種類が多くて、自分にとって何が一番良いのか分かりにくいと思います。
分かりにくい、ということは、調べればよいのでしょうが、なかなか時間がなく、しかも買い物となると、ササっと済ませたいのが本音です。
ですので、私の場合はマルシェで買うようにしています。
それはなぜかというと、対面販売だからです。自分の好みを伝えたり、逆にアドバイスをもらったり、会話をしながら購入できるので、とても納得感があり、使用する度に購入時の会話を自然と思い出したりします。

今回は、お味噌をマルシェで買ってから、私の心身の変化から感じたことを書き記します。
それは、お味噌を使った料理を摂取したところ「心地よさ」を感じたからです。

約1ケ月ぶりにお味噌を買う。

吉野ヶ里歴史公園の駐車場で、毎月一回ある「軽トラ市」に行ってきました。
結構早めに家を出たのですが、ほぼ駐車場は満杯。
車を止める場所を探すのに苦労したくらい、大混雑状態でした。
そもそも、お味噌を買う予定ではなかったのですが、たまたま地元のお味噌屋さんが出店されていたので、そう言えばお味噌が切れていた事を思い出し購入する事となりました。

我が家では、お味噌汁を作るためのお味噌というより、鍋のお味噌風、という料理で食します。
軽トラ市でお味噌を買ったので、今夜は我が家の定番料理「旨辛ゴマ味噌鍋」を作ることに決定しました。

この「旨辛ゴマ味噌鍋」はとても簡単で経済的で栄養満点な鍋なのです。
簡単に説明すると、和風だし、椎茸、にんにく、鶏肉を炊きます。灰汁を取って、十分に加熱したら、味噌を投入します。
さらに煮込んでいき、食べるラー油(胡麻のまんてんの商品)と木綿豆腐を入れて完成です。ネギや葉物があれば尚良いです。

お味噌は、腸内環境を良くする。

まずは、味噌はアミノ酸の豊富さが特徴です。
味噌にはグルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸が豊富に含まれています。これらのアミノ酸は脳内の神経伝達物質の合成に関与し、リラックスやストレス解消に寄与するようです。
味噌を摂ることで、アミノ酸の摂取量を増やし、心地よいリラックス状態を促進することができる、というわけです。

そもそも味噌は発酵食品であり、その発酵過程によって有益な微生物や酵素が生成されます。
これらの微生物や酵素は腸内環境を整え、消化吸収を助ける役割を果たします。
腸内環境の改善はストレスや疲労の緩和にもつながります。現代社会は、多忙な日常や人的なストレスに晒されることが多く、心と体の疲労がどうしても蓄積されてしまいます。

味噌の栄養価と効果。
味噌はタンパク質、ビタミン、ミネラル食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。
よく知られている「畑の肉」と言われる大豆が主原料ですね。

大豆には、水分やタンパク質を始め、脂質、糖質、ビタミンB1、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、葉酸、鉄、亜鉛、銅、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維など、多くの栄養素を含んでいます。

味噌はそうした栄養素たっぷりの大豆に麹菌を付着させ、発酵熟成させることで作られます。
この発酵により、それまで大豆にはなかった、あるいは微量であったアミノ酸やビタミン類を多量に生成しるようです。

このため味噌の栄養価は原材料の大豆であったときよりも、さらに優れたものになっているようです。
また、大豆のたんぱく質が生命を支える重要な物質を生み出していることです。
大豆たんぱく質は酵素によって分解されることで一部がアミノ酸となり、そのアミノ酸の中には、生命を維持するために不可欠な必須アミノ酸8種類が含まれているようです。これらの栄養素は代謝や免疫機能に重要な役割を果たし、いわゆる抵抗力を高めることに繋がります。

実体験。旨辛ゴマ味噌鍋を食べた翌日。

まず目覚めの時の「ダルさ」が少なくなったように感じました。
そして、なんとなくですが、身体が軽い感じもしました。お通じも、なんとなく良好のような感じです。
全体的に好調というか、体のどこかの不調により、晴れ晴れとした気分になれない状態とは真逆で、なんとなく気分が良い状態だったのを覚えています。
その時は、上記に記した味噌のリラックス効果などの知識もなかったので、単に栄養が体の細胞に溶け込んだため、いい感じになっているくらいにしか認識していませんでした。

ところが、この鍋を二日間かけて、具材を変えて食べたその翌日には、明らかに体調がとても良く、そして何よりも「頭の回転が良くなった」ような気になりました。
コピーライターですから、終始なにかを考えているのですが、この頭の働き具合は最近感じたことがなかったくらいです。
そこから、「ひょっとして味噌は心地よいを作るのか?」と思い、調べ、考え続けたのです。

脳は第二の腸。

なんとなくですが、発酵食品のお味噌、腸内環境の改善、身体が軽くなり、心地よい状態を感じる。
そして、いよいよ腸について調べ始めました。
調べていくと、すぐに「免疫力が上がる」「睡眠の質の向上」「ストレスを緩和する」などで注目される、ヨーグルトや乳酸菌飲料関係がでてきました。
そして、詳細は割愛しますが、どうやら脳腸相関という、あまり聞いたことが無いワードにたどり着きました。
脳と腸は互いに影響しあっている、ことが実証されつつあるという事実を確認することとなります。

脳の状態が腸に影響を与えるだけでなく、腸の状態が脳を変える力を持つ。

そうした特徴から、腸は第二の脳とも言われています。
腸内細菌が脳の働きに与える影響についての研究が進んでいます。
例えば、2020年に報告された、国立長寿医療研究センターの佐治氏らの研究によると「腸内細菌が代謝の過程で生み出す乳酸が多い人では、認知症リスクが低い」という相関関係が明らかになっています。

誰にでも経験がある、緊張感でお腹が痛くなったり、ということも、脳で感じたストレスが腸に伝わるために起きています。
腸活というと、「イコール便秘対策」というイメージも根強いと思われます。腸に関する健康法といえば便秘対策が中心でした。朝食にバナナ~などですね。
こうした便秘対策だらけの発信でしたから「腸は便を排泄するためだけの臓器」という印象をつくってしまってと言えます。

脳と腸の情報交換

この情報交換は、免疫系、内分泌系、神経系という腸に備わる機能を介して行われていて、特に腸から脳への情報伝達のルートとして注目されているのが「迷走神経」というもののようです。腸から脳への情報量は、脳から腸よりも多いと考えられているようで、脳と腸は、常に情報を交換しあい、互いに影響を及ぼしあう関係にあるようです。

味噌が与える心地よさは、腸から脳へ伝達された情報でした。

調べれば調べるほど、発酵食品である味噌の力に、とても敬意を払いたくなりました。
しかし、流通しているほとんどのお味噌が、そのような価値を謳っておりません。
これは非常にもったいないので、ある食品メーカーに相談して、味噌を使ったコラボ新商品の企画を提出しました。
商品開発に成功したら、ご紹介いたします。

現代社会人が抱える切実な悩みの解決。
もともと古くからあった味噌の価値を、変換して伝える。
生活者にとっても、味噌の製造会社にとっても、あって欲しい状態の関係性の構築。


このようなコンセプト開発の経緯は、おそらくお味噌以外にもあるに違いありません。
コピーライターが考えるコンセプト開発。
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