【企画・販促の方へ】贈り物に“意味”を添える、感情のキャッチコピーの事例。

要点

1.誰に伝えたいのか? 
 その「誰」をしっかりと捉える。
2.その人にどう思ってもらいたいか? 
 時代背景や読み手のインサイトを考え、心理変容を構想する。
3.ステートメントを書いてみる 
 コピー到達への土台のようなもので、思考を広げるために書く。
4.読み手の体験に訴求する要素があるか?
 体験には記憶が紐づいています。その記憶にシンクロするような要素を探す。

このブログ記事で理解できることは、コピー開発の背景やコンセプト、狙いを、タイトルにそのままコピーを使用し、詳しく解説致します。贈り物の魅せ方にお悩みの方へ、ご参考になれば幸いです。

感情の数だけ、贈り物はある。

感情には、まるで色彩のグラデーションのように、濃淡や揺らぎがあります。


このコピーには、贈り物の本来の在り方を込めました。
分かりやすい例で言えば、義理チョコがそうですね。
本命のチョコとは別の、義理の感謝を贈るものとして広く一般に認識されています。

同じ感謝でも、とても感謝している。
ちょっとだけ感謝している。
仕方なく義理で感謝を贈り物としてカタチにしていくなどあります。

とても感謝している贈り物は、時間をかけて入念に選んでいきます。
ちょっとだけの感謝でも、相手への気遣いに手抜きはできません。
義理の感謝であっても、それをチョイスした自分のセンスが問われますから、なんでもいい、という訳にはいかない。

このような繊細な揺らぎは「自分の気持ちが整理されていく」という贈り物のもう一つの側面も見て取れます。
また、このような繊細で淡い色身を好むのは、Z世代に代表されます。

ご自身の商品にも、感情のコピーを添えて展開されてみてはいかがでしょうか。
例えば、僕がセレクトショップのお店の人だったら、こんなタグラインを付けます。

深い想いも。淡い気持ちも。

深い、淡い、の両方に「も」と付けることで、感情のグラデーションを内包した表現となります。

見返りを求めない贈り物。そういう大人になりたい。

貰った本人でさえ忘れているような些細なことや、ふと思い出したかのように、特別な理由があるわけではないけど、何となく贈りたくなる。そんな友人を持つことが、どれだけ自分の人生を豊かに感じ取ることができるでしょうか。
そんな振舞いができる大人への憧れを表現しました。

私自身の体験で言えば、私の車にはビニール傘が常時数本入れてあります。どういうことかと言うと、以前車で打合せ場所へ急いでいた時に、突然雨が降ってきました。
車を走らせていると、対向車線側のバス停付近に赤ちゃんを抱っこしたお母さんが立っていました。
傘がないのでしょう。両手で赤ちゃんを抱きかかえ、壁に張り付くようにまっすぐ立たれていました。

そのバス停には屋根がなく、お母さんは、その近くの建物のわずかに伸びた軒下に、せめて赤ちゃんだけでも濡れないように、窮屈そうに立っていたのです。
走行中でしたが、どうしても気になり、Uターンをして、「大丈夫ですか?」と声をかけ、傘を手渡しました。

お母さんはとても驚き、何度も何度も感謝されたのですが、私の中では「世の中捨てたもんじゃないな」とあのお母さんが思ってくれたら、どれだけいいだろうか、と勝手に妄想していました。

これが、1本の傘から始まった、わたしの贈り物の価値の原点となりました。

贈り物は記念日やイベントだけではなく、ましてや高価でなくても、誰かの困りごとや、孤独に気づいたとき。
そこに希望を灯すような贈り物こそ、記憶に残る価値へと昇華されると思います。

きっとあなたの中にも、1本の傘はあります。
その感情を、あなただけの1本を、言葉にしてみませんか?

もうしばらく、子供でいたい。

敬老の日には、全国で「ありがとう」の言葉が見られます。
それはそれで感謝の素直な言葉なのですが、「ありがとう」を深掘りすると、感謝と甘え、そして甘えてもらいたい、という親子ならではの、相互の心理が見えてくると思います。

少子高齢化は切実な社会的問題です。
とても抗えない現実ですが、それでも人々の暮らしは続いていきます。
そんな年老いた父や母に、ありがとう以外の言葉で、感謝の気持ちが伝えられたら、日本中で温かい敬老の日を迎えられるのでは、と願いを込めて書きました。

でも実際は、この言葉は、直接口では言えない言葉だと思います

それでも、心象風景として、昔の小さい子ども時代や、一緒に行った海への旅行など、過去の記憶が蘇ってくるかと思います。
口で言えない分を、言葉を可視化して、表現してみてはいかがでしょうか。
例えば、AIを使って、昔の写真を加工して現在の姿への変貌を作って親に見せるとか考えられますね。

ありがとうだけでは、伝えきれない、残り少ない親子の時間を改めて知る機会と思います。

私は、ちっちゃいアメリカ人じゃない。

スタバじゃなくても、私は満たされる。

すでにルーティン化していると言ってもいいくらい、スタバの人気は幅広い層に人気があります。
コンセプトといい、世界観といい、磨き抜かれた完成度の高さは、あらゆる分野のお手本として参考にされる方も多いかと思います。

一方でやや劣勢気味な、和の世界。
和のスイーツやお茶ですね。美味しいのは知っているけれど、どうしても特別感がしない、何となく有難味に薄いなどの印象が拭えません。
このままでは、Z世代以降の消費が危ぶまれてきます。
そういった危機感と、多様性は理解しますが、本来の食文化までもが、必要以上に浸食されてしまっては、大切な根っこの価値を失いかねないと思います。

ルーツと感性 和スイーツ

メインコピーは、やや皮肉と言うか、クリティカルな表現となっています。
なぜ、そのようなコピーを考えたかというと、どの世代よりも自分軸にこだわる傾向があるZ世代。
彼らに、将来のお客さんになってもらうべく、自分の感性を信じて消費してもらうため、従来の和の価値の変換を狙いました。

そのキーワードが「ルーツ」「感性」だと思います。

ドイツ出身の建築家。ミース・ファン・デル・ローエが提唱したミニマリズムの世界観が応用できると考えます。
ミニマリズムとは、少ないほど豊、と解釈されています。

余白の美、静けさ、余計な要素をそぎ落とし、本質だけを残すデザイン哲学ですね。和モダンな空間で和のスイーツや抹茶を頂くだけで、自ずとルーツへの思考が芽生えてくると思います。
ターゲットに価値を届けるだけでなく、共創するような商品設計が必要になるかと思います。
贈り物としても、静かな抵抗のようなアート性がある設えが考えられます。

情報もモノも溢れかえっている時代だからこそ、自分のルーツを再認識するような商品設計をやってみませんか?
コンセプトから商品名まで一緒に考えます。

彼女より、薬指が美しい。

初めて彼女に贈る指輪を買いに、百貨店へ行った男性が、お店の女性の方に、選んだ指輪を、よりイメージが湧くようにその女性の薬指にはめてみてもらった時の、衝撃的な美しさを、男性の下心をも伺わせるコピーとして表現してみました。

ちなみに、私の実体験ですので、告白のように正直にその時の事を書いてみます。

婚約指輪を買いに、新宿の百貨店に行きました。
少し場違いなプレッシャーを感じながら、そして店員さんの見ていないようでしっかり見ている感じが、早くその場から立ち去りたいという妙な圧迫感を今でも覚えています。

私は昔から「青」や「紺色」が好きでした。当然、持っている服も同じような服になってしまいます。
指輪選び自体が初めての体験で、何をどのような理由で買えばよいのかさえ分からない状態でしたので、とりあえず直感で自分がいいな、と思ったら手に取ってみようと思いました。

やや早歩きで、ぶらりぶらりした数十分後に「ん?」と目が一点に絞られました。
そのテナントさんの名前も知らないけれど、引き込まれるように、お店の名前が書かれているパネルを見ていました。
それは、圧倒的な青の世界、ブァンドーム青山のパネルでした。

もうこうなるとショーケースを見なくてはなりません。
果たしてこれが、もうこれ以上ない美しさの輝きを放った指輪があったのです。
直感で買うには安い買い物ではないことは理解していましたが、この商品は、私が買うべき商品だ、と当然の義務の様に思えてなりませんでした。

店員さんに、「すいません、これ見せてもらっていいですか?」とお願いし、目の前に提示してもらいました。
しかし、確かに美しいモノではありますが、なぜか心のどこかで、モノはやっぱりモノでしかない、と冷ややかに思っている自分が居たことも間違いありません。

そこで、店員さんにお願いして、その指輪を店員さんの薬指にはめてもらいたい、と申し出たところ、やや驚かれましたが快諾して頂きました。

スッと流れるように、しなやかに薬指になじんでいく指輪。

そして、装着が完了し、私の方に手の甲を向けて、いかがですか?と微笑みと一緒に提示されました。
もうその瞬間、先程までモノとしての指輪にすぎなかったが、まるで深い眠りから覚めたような、生きた輝きを、私めがけて放ったのです。

記憶にありませんが、確か思わず「うっ」とか「はっ」とか、ちょっと恥ずかしい感じの、短い言葉を発したような気がします。また、つい口から出そうになった、「美しい・・・」という言葉を店員さんに対しては、言ってはいけない事も、ほぼ同時に気づきました。

でも、これは告白なので正直に言います。
店員さんの薬指は、彼女よりも遥かに美しかった・・・。

時効ですから。

まとめ

感情のコピーとは、普段はひとの心の奥にしまってある、言葉にならない感情をすくいあげて表現していくものです。

今回は、贈り物についてのコピーを提示致しました。
贈り物とは、誰かの為でもあり、自分自身を移す鏡のようなものでもあります。

感情の数だけ、贈り物はある。

見返りを求めない贈り物。
そういう大人になりたい。

もうしばらく、子供でいたい。

私は、ちっちゃいアメリカ人じゃない。

彼女より、薬指が美しい。

コンセプト開発、ネーミング開発、タグラインやコピー。
あなたの商品やブランドには、あなたしか言えない、ふさわしい在り方が必ず在ります。

ご相談、ご連絡お待ち申しております。