みたて
セミナーや書籍で良く見受けられる「地域資源の活用」。
わたしも数回セミナーに参加したことがあります。
100名を超える規模のものから、10数名の規模まで。
案内される「チラシ」にも、登壇者の過去の略歴や実績も有名なものが書かれています。
でもすいません。ほとんど記憶に残っていません。
何か、あの辺りの話をされていたなぁ、くらいのぼやけた記憶が少しだけあるくらいです。
セミナーのタイトルから、参加者に多いのが「売り上げを増やしたい」「このままではまずい」など度合いにもよりますが、切実な背景があると想像します。
一方、登壇者は過去の実績を並べて、こういう場合はこうした、とかワークショップ形式で強みや弱みやコンセプト開発的なことをやらせます。
わたしもやりました。でもすいません、ほとんど覚えていません。
実践してよかった~と瞬間的に思う事はあっても、その後継続してやっていることはほとんどありません。
なぜこうなるのでしょう。
テンプレートのようなワークショップをやって、何かしらの解を会得したとしても、それはあたかも
予定調和で進行しなくてはならないガイドツアーに参加しているようなものであり、道を外れる事は許されません。
予定以外の話は、個別に相談受けます、となるのでしょう。
私の場合、セミナーはあくまで補完的な復習として参加することが多いです。
むしろ私には、解決すべき事のテーマに沿った「本を読む事」「それに関する人に会う事」それらから得られた示唆をコピーや世界観作り、物語づくりに役立てています。
そう考えた時に、地域資源を活用する事について「わたしなりの見立て」を箇条書きに整理します。
・今持っている、作っている「もの」とは何か?
・それは現代に何をもたらしてきたか?
・そのもたらしたものは、これからもありそうか?
・それは誰の為にあり続けるのか?
・アンチテーゼからジンテーゼへと到達できそうか?
ざっと掲げるとこのような感じですね。
特に、「それは誰の為にあり続けるのか?」と「アンチテーゼからジンテーゼへと到達できそうか?」あたりの視界が良好だと、先が見えた感が増してきます。
そして、見えていなかった、意識していなかった「新しいテーマ」が浮き彫りになってきます。
五感を使って、自分だけの物語を創る
例えば、味噌・醤油屋さん。ワークショップなどでは、味噌づくり体験や麴を使った料理教室もされてます。
それはそれで、共感するひとも多いでしょうし、どうせ買うなら体験したところから買う流れの道筋はできますね。
で、どうせなら、さらに記憶に残るような企画販促を考えませんか?
地域資源の見立てでも書いたように、誰の為にこの味噌は在りつづけるのか?
この一文に「アンチテーゼからジンテーゼへと到達した要素」を入れ込むのです。
味噌屋さんしか言えない事を、五感を使って、刺さる言葉で物語を創っていくのです。
誰の為に味噌は在り続けるのか
当たり前のことですが、みそ汁や豚汁を作る時に必要不可欠ですね。
誰の為に、と言われればそれらを作る人となるのでしょうが、それだけだと話が膨らみません。
例えば、その味噌が「ある大学の生物学の博士」だとします。
それだけで十分変な話なのですが、誰も傷つかないので、仮説を進めます。
彼のテーマは、ひとが摂取するたんぱく質について研究しています。
調べたり、研究したりしていくと「ひとは本当に食べたものでできている」ことに改めて気づかされます。
さらに、そのような勉強が続いていくと、だんだんと今の食全般の多様さ、便利さに疑義を持ち始めます。
そしてやがて自分の使命に気づいていくのです・・・。
真っ暗で、しんと冷えた冷蔵庫の一角で、マヨネーズに語り掛けます。
「おい、マヨ君よ。君は子供たちに大変人気があってうらやましいなぁ」
「マヨラーとか言われてるんだって?ミソラーなんて言われないし、そもそも味噌の出番も減ってきたしなぁ」
マヨネーズは言います。
「そうですね・・。洋食、和食問わず、わたしをかけて食べる人は多いですが、味噌となると料理も
限られてきますね」
会話自体はこの辺で書くのを辞めますが、誰の為に味噌は在り続けるのか、を新しい視点と解釈で考えていくと
上記のようなコンテンツも浮かんできます。
そして、これらを一言でまとめていくと、いわゆる本のタイトルのようなものができあがってきます。
地域資源を活用するとは「見つけて」「再発進する」こと
今持っているものを活用し、五感を使って物語を創る。
その物語を誰に届ければ一番響くか考える。
ふわっとしたポエムのような物語は要らない。
むしろ、ドキッとするくらいのタイトル(商品名)とボディのほうが望ましい。
それらが整いつつある段階から、やっぱりECサイト構築、スマホ対応が今の時代必須ですね。
見てもらうための努力と、見てもらうに値する物語を一緒に考えていきませんか?
企画・販促のご相談お待ちしております。